スパイウェアには重層的な対策を――専門家らが提案(ITmedia, 9/16)

 ワイズマン氏は、特に大切な姿勢の1つとして、ライセンス同意書を読む習慣を身に付けることを挙げた。「同意書を読まない人が多過ぎる。ソフトをダウンロードする際、自分が何に同意しているかをよく理解していない。同意書を読み通すのは面倒かもしれないが、読めば自分のコンピュータに何が入り込もうとしているのか分かる」

使用許諾契約書を熟読して不要なソフトウェアがインストールされるようであれば、インストールをひかえるということはスパイウェア対策として有効である。しかし、その内容はあまりにも複雑でいちいち読むのは骨が折れる。特にスパイウェアが埋め込まれているようなソフトウェアはプライベートで利用することが多いはずなので、そんな複雑なものを真剣に読もうとは思わないだろう。スパイウェアをばらまく側もそこを狙って、わざと読む気がうせるような複雑で長い文章にしているのだろう。

 「企業にとって社員は、スパイウェアに関する最大の資産にも負債にもなり得る。ファイアウォールなどの対策を講じた後、スパイウェアに残された唯一の侵入手段は、人の手を借りることなのだ」

確かにセキュリティホールを突いて侵入したりするよりも、人の手を借りてスパイウェアを潜り込ませるのが一番手っ取り早い方法かも知れない。いわゆるソーシャルエンジニアリングだ。多くのひとは、使用許諾契約書を読まないだけでなく、ブラウザが出す警告メッセージを読むことさえしないのだから。