CME-681とは

CMEはCommon Malware Enumerationの略で、ウイルスに共通の識別番号を割り振る仕組みのこと。詳しくは次の記事を参照。

マルウェア共通命名計画が10月に始動へ (ITmedia, 9/30)
コンピュータ・ウイルスに番号を割り振る取り組みがスタート,名前の違いによる混乱を防ぐ (IT Pro, 10/6)
ウイルスに共通の識別番号を - マルウェアの識別番号制度が始まる (MYCOM PC WEB, 10/7)

ウイルス名はアンチウイルスベンダによって異なり、ユーザの混乱のもとになっていることが少なくない。例えば、最近話題になったSoberの亜種は、シマンテックW32.Sober.X@mmトレンドマイクロWORM_SOBER.AG命名している。対応表でもなければこれらが同一であるとは思わないだろう。

前置きが長くなったが、タイトルの「CME-681」はSoberの亜種のことだ。CME-681に対するアンチウイルスベンダ各社のウイルス名は次の通り。F-SecureKasperskyはSober.Yだが、それ以外は見事にばらばらだ。

会社名 ウイルス名
CA Win32.Sober.W
F-Secure Sober.Y
Kaspersky Email-Worm.Win32.Sober.y
McAfee W32/Sober@MM!M681
Norman W32/Sober.AA@mm
Panda W32/Sober.AH.worm
Sophos W32/Sober-Z
Symantec W32.Sober.X@mm
TrendMicro WORM_SOBER.AG

この取り組み、まだ始まったばかりということもあり、いまひとつ浸透していない。例えば、次のSoberの記事では「CME-681」の記述はない。

「W32/Sober」ウイルスの亜種に関する情報 (IPA/ISEC, 11/24)
Sober亜種が急拡散、「ひっかかりやすい文面」が原因? (ITmedia, 11/24)
「Sober」ウイルスの亜種が大量出現,対策ソフトで検出できない場合も | 日経 xTECH(クロステック) (IT Pro, 11/24)

もしかして「Sober亜種」の記事では全く取り上げられていないのかと思ったが、こちらにはあった。

Soberの新亜種が大暴れ--電子メールトラフィックに混乱のおそれも (CNET Japan, 11/24)
「Sober!M681」が感染拡大中、FBIやCIAを騙るメールに注意 (INTERNET Watch, 11/24)

CME-681とそれに対応する各社のウイルス名をGoogleで検索してみたところ、次のような結果になった。無関係のものも多く含まれていると思うが、やはりCMEの普及度は今のところまだまだという感じだ。

ウイルス名 検索結果(件数)
CME-681 533
Win32.Sober.W 9,560
Sober.Y 365,000
Email-Worm.Win32.Sober.y 14,300
W32/Sober@MM!M681 33,800
W32/Sober.AA@mm 231
W32/Sober.AH.worm 214
W32/Sober-Z 90,000
W32.Sober.X@mm 66,500
WORM_SOBER.AG 58,000